2019年8月に上級救命講習を受けてきました。
この記事は、上級救命講習を受講した感想を体験レポートとしてまとめたものになります。
時間のかかる講習ですが、赤ちゃん・子どもの心肺蘇生や人工呼吸・AEDの使い方など、救命措置を身につけることができる、とても良い機会でした。
このページの目次
上級救命講習とは?パパママにもメリット大!
上級救命講習は、全国各地の消防本部が開催する救命講習の一つです。
私が受講した東京では「公益財団法人 東京防災救急協会」が主催をしています。(※各都道府県によって、内容や費用に若干違いがありますが、この記事は東京の講習を基に書いています)
上級救命講習で学べる内容は、大きくわけて次の6つです。
- 心肺蘇生(小児・乳幼児含む)
- AEDの使い方
- 窒息の手当て
- 止血・外傷の応急手当
- 傷病者管理
- 搬送法
救命講習は、普通と上級の2つがありますが、 上級といっても受講資格などは特にありません。初めて応急手当を学ぶ人でも上級を受講できます。
上級救命講習は、普通救命講習の内容が含まれているので、時間や費用に余裕があるなら、最初から上級救命講習を受けた方が良いと思います。
上級救命講習をおすすめする理由とは?
特に小さなお子さんを持つパパやママは、上級救命講習を受けることを強くおすすめします。
なぜなら、上級救命講習は 小児・乳児の救命処置(心肺蘇生、人工呼吸、AED)を実際に行いながら実践で学べるから です。
普通救命講習は、大人の救命処置のみになります。
子どもの救命処置は大人のとだいぶ異なるので、一度学んでおくと「もしも」の時に落ち着いて行動できる可能性がグッと高まります。
救命処置のやり方自体はYouTubeでも知ることはできますが、実技でないと分からないような、細かいけれど押さえておくべきコツが掴めるので、その点でもおすすめです。
上級救命講習の体験談(内容)
申込み~当日受付
上級救命講習はホームページもしくは電話で受講の申込みができます。
申込みが完了すると、受講料の支払いハガキが届くので、コンビニ等で費用を支払いします。
受講料は各地で若干異なりますが、東京都の受講料は2,600円です。
支払い済みのハガキ(納付書兼領収書)は当日受付に出す(見せる)ので持参します。
持ち物
筆記用具、納付書兼領収書、飲み物、昼食(※会場によって異なる)、タオル
アンケートがマークシート式になっているので、筆記用具は鉛筆と消しゴムが要ります。
受講時間は9:00~17:00と1日かかるので、昼食が要ります。会場によっては売店等がないので、持ってくるかお昼の休憩時間に食べに行くかになります。
あと、公式ホームページには書かれていませんが、ハンカチもしくはタオルはぜひ持って行くのをおすすめします。
講習は実技が多くてかなり体力を使います。汗が出るのでタオルはあったほうが良いですよ。
服装
当日は実技が多いので、動きやすい服装、あとは脱ぎ履きがしやすい靴がおすすめです。
会場によっては、上履きを持参します(スリッパ不可)。
テキストや配布物
講習テキストと人工呼吸用マウスピース、三角巾は配布されます。
マウスピースと三角巾は実技で使います。
講習テキストはAR(拡張現実)と連動しており、専用アプリをインストールすれば、解説動画も見れるようになります。
テキストは5年ごとに改訂が入り、次は2020年。
しかしテキスト反映されるのは1~2年のタイムラグがあるので、実際にテキストが変わるのは2021年~になるそうです。
受講の内容と流れ
午前に救命処置(心肺蘇生、人工呼吸、AED)、
午後は小児・乳児の救命処置、窒息時の異物除去、応急手当(止血・外傷の手当
、傷病者管理、搬送法)を学びます。
午前の救命処置も、午後の小児・乳児の救命処置も人形とトレーニング用AEDを使ったシュミレーション形式の実技があります。
応急手当では、三角巾を使った包帯法を実技で行います。
上級救命講習は実技がかなり多く、体力をかなり使います。
特に救命処置の実技はハードで、終わった後は息があがりました。
体力は使うものの、緊張感のある講習ですし、何回も繰り返して行うので「自分の身についている」という感覚があります。
実際に体を動かしなしながら学んでいるので、本や動画で見たときよりもしっかり自分の身になっている感じがします。
確認のため試験があります
午前の終わりに実技試験、午後の終わりに筆記試験がありました。
実技試験は、人形を使って心肺蘇生、人工呼吸、AEDといった救命処置の一連の流れができるかの確認です
試験といっても、そこまでガッツリしたものではなく、グループ単位でチェックしていくので厳しいものではありませんでした。
救命処置はほぼ実技で学ぶので、試験等よりおさらいみたいな感じです。
筆記試験は〇×形式で20問。80点以上で合格です。
講習を受けていれば答えられる内容で、そこまで難しくはありません。
講師の方も「落とすための試験ではないですよ」と言っていましたし、
今回受けた回では全員合格しているので、あまり心配するような感じではないと思います。
ちなみに、私の旦那は私より先に別の会場で受講したのですが、そこの筆記試験は、「〇だと思う人は手を挙げてくださいー」という感じで挙手制だったらしいです(笑)かなり緩いですね。
合格すると認定証がもらえます
講習が終わり、試験に合格すると「上級救命技能認定証」がもらえます。
(当日中にもらえます)
有効期限は3年。
期限が切れる前に再講習を受ければ有効期限は更新されます。
再講習だと受講時間が3時間と短くなり受講料も安くなるので、忘れないようにしないとですね。
参加者の割合や時間など
参加者の人数は30人前後。
割合は男性4:女性6で女性が多く、年齢層も20代から60代くらいまで幅広かったです。
時間は9:00~17:00ですが、私が受けた講習はスムーズだったのか16:00前で全ての内容が終了し、早く帰ることができました。
休憩時間は60分~90分ごとに10分くらい。お昼休憩は1時間ちょっとありました。
上級救命講習の感想
上級救命講習の良いところは、実技が多く実践で役に立ちそうなところです。
私は受講する前にYouTubeで救命処置の動画を見ていて、ある程度知識は頭に入っていました。でも、いざ実際にやってみるとぜんぜん違いました。
気道の確保や胸を押すときの圧迫の強さやリズムなど、頭で考えているのと実際に動いてやってみるのとでは大きな差があります。
個人的には、
- 「死戦期呼吸」があるから、呼吸の有無は口ではなく胸と腹の動きで確認する
- 人工呼吸で赤ちゃん・子どもに息を吹き込む量は、強すぎると胃の中のものが逆流してしまい危険なので気をつけること
- 胸骨圧迫は腕を水平に保つ(意外と難しいです)
- 人工呼吸は、呼吸が入っても入らなくても2回で打ち止めして心肺蘇生にうつる
この辺りは特にハッとした部分で、受講しなけば気づけなかったところです。
新たな気づきも沢山あったし、何より、受講したことで 「慌てずにすみそう」という安心感が自分の中に出来たことが大きいですね。
いざという時、訳も分からず慌てふためくという事態だけは避けられそうです。
まとめ
もしもの時に自分の体が動けるように、備えておけるのが上級救命講習を受ける大きなメリットだと思います。
大切な人を守れる手段が一つ増えれば、万一の時に助かる確率も上がりますよね。
上級救命講習は受講時間が長いので、育児や家事・仕事に忙しい親御さんにとっては参加するのはなかなかハードルが高いですが、その分得られるものは多いと思いますので、もし興味があればぜひ受講してみてください。